大谷翔平がホームラン打ったので『メリーポピンズ』を観たっていう話
エンゼルスのマドン監督が発した一語
「珍しく大谷君、今日はホームラン打たなかったな」という会話が滑稽にきこえないほど連日快音を響かせている大谷翔平.。
試合後の記者会見でマドン監督が大谷君の活躍について一言『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス!』と評したことが話題になりましたね。
やたら長いですがこれで一つの単語です。
特別に意味はなく嫌なことがあったときにこの言葉を唱えると忘れてしまう、というおまじないようなもので、映画『メリーポピンズ』で使われました。
映画のために作られた造語らしいがこの言葉がそのまま歌になっているのですぐに覚えてしまいます。
エンゼルスの本拠地はカリフォルニア州アナハイムでディズニーランドにはクルマで5分ほど。一時期ディズニーはエンゼルスの経営にも加わっていたことがあるという。
『メリーポピンズ』といえばディズニー映画の名作だからマドン監督もこの言葉を使ったのだろう。
本来は単なる固有名詞であったが現在では形容詞的に「並外れてすばらしい」の意味で使わているようだ。
まさしく大谷君の活躍はSupercalifragilisticexpialidociousなものですが映画『メリーポピンズ』も観る人すべての心に響く名画です。
最近ぼくはU-NEXTを利用させてもらっているのですがこの映画ももちろんラインナップされていて久しぶりに観ました。
ミュージカルですがイギリスの厳格な家庭を舞台にした親子のドラマでもある。メリー・ポピンズが家族の中に入り込んだことで厳しかった父親が人生で本当に大切なものに気づかされる再生の物語でもあります。
楽曲も名曲ぞろいでアカデミー賞では『チム・チム・チェリー』が歌曲賞を受賞しました。他にも前述した『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』や『砂糖ひとさじで』『2ペンスを鳩に』『凧を上げよう』などが有名です。
アカデミー賞といえばこの年(1964年)の作品賞は『メリーポピンズ』ではなく同じくミュージカル映画の『マイ・フェア・レディ』が取りました。
主演女優賞は『マイ・フェア・レディ』のオードリー・ヘップバーンが選ばれず『メリーポピンズ』のジュリー・アンドリュースが受賞したのです。
これにはおもしろい因縁がありまして。
『マイ・フェア・レディ』は映画化される前は3年もの長きにわたってブロードウェイで上演されたロングランヒット作でその時の主演がジュリー・アンドリュース。
映画化にあたっては当然ジュリーが起用されると誰もが思います。ところが予想に反して選ばれたのはオードリー・ヘップバーンでした。
映画会社ワーナーブラザーズは一般的には有名でなかったジュリーを嫌いヘップバーンに主演させたのです。同じ年にジュリー・アンドリュースは奇跡的に『メリーポピンズ』でハリウッド・デビューを果たしアカデミー主演女優賞を取りました。
一方のヘップバーンはノミネートすらされていません。
これにはかなりの同情票が動いたと言われています。
受賞式でジュリーは『ジャック・ワーナーに感謝しています』とスピーチしました。
会場にいたジャック・ワーナーが苦笑している様子がYouTubeで見れます。
彼はジュリー・アンドリュースを外した張本人ですからね。
一方のオードリー・ヘプバーンは会場の外で「アイ・プア・レディ」と言ったとか、言ったとか。
ミュージカルなのに主演女優が歌わずに他の人が吹き替えてすましたことがファンからすれば納得のいかないところだろう。
吹き替えたのはマーニー・ニクソンというゴーストシンガーだった歌手で『王様と私』や『ウエスト・サイド物語』などでも歌っています。
ところでぼくは映画版『マイ・フェア・レディ』も大好きなんだなあ。
今はなきテアトル東京で一週間のうちに5回も観たことがある。
先に『マイ・フェア・レディ』を観たし、2人の因縁も知っていたので『メリー・ポピンズ』は観ていなかったのだ。
なんとなくオードリー・ヘップバーンに肩入れしてたんでしょうかね。
ディズニーなんかガキの見るもんだろ、なんて悪態ついたりもして。
でも自分が父親になってから観てほんとうに良かった。意外と深いんですよ。ミュージカルで面白ろおかしく描いてる方がラストで素直に感動できるんじゃないでしょうか。
感動や涙の押し売りみたいなのはシラケるんですよね。
傘をさして空から下りてくるシルエットが良い絵になってました。
近年、続編が制作されて好評だったようですね。こちらは今のところU-NEXTでは有料のようですがポイントで観れます。
大谷君のおかげで古い友人に再会できた、そんな感じがしました。
*なお本ページの情報は2021年6月時点のものです。最新の配信状況等はU-NEXTサイトにてご確認ください。