犬のお散歩

犬と散歩しながら人間についてテキトーに考察してみた

タモリ唯一の主演映画『キッドナップ・ブルース』をU-NEXTで観たのだ

 タモさん、もう引退したんでしたっけ、今でもたまにテレビに出てる印象だけど付き合い程度なんでしょうね。
ドラマに出たり演技者とのイメージはほとんどないけどウイキペディアで観たらケッコウ映画やテレビドラマにも出演してました。ドラマでは単発っぽいけど5~6本主演もあるみたい。
映画の方は『キッドナップ・ブルース』の一本だけ。
1982年の作品ですが2番館あたりで観た記憶がある。
当時のタモリはすでに人気者だったけど今とは少し違った見られ方をしていたと思う。
どちらかと言うとキワモノ的なイメージが強かった。
 
ぼくがタモリを最初に認識したのはテレビ東京で放送してた「モンティパイソン」で、番組の冒頭だったか終わりに出てきて四か国語マージャンなどの芸を披露していた。
その後は「アッコのゴッドねえちゃん」などで白ブリーフ一枚でイグアナの形態模写をしたりデタラメ言語のハナモゲラ語を操ったりして。
こいつ何者なんだろう?でもメチャクチャおもしろいな。
という感じでテレビ界の中央には位置してないけどものすごく気になる存在ではあった。
それがいきなりお昼の番組をメインでやることになって驚いた記憶がある。タモリはちょっと下品で下ネタのイメージがあったから。
しかも「笑ってる場合ですよ」の後番組だという。
この番組はツービート、さんま、サブロー・シロー、ヒップアップとか片岡鶴太郎などの当時の売れっ子たちが出演していた大変な人気番組だった。
それなのにタモリとかいうキワモノ芸人が仕切る「笑っていいとも」なんて似たような名前の番組になるという。
世間の反応は冷たかったね。
ぼくは一回目から見ている。初回の「テレフォン・ショッキング」のゲストは桜田淳子だった。
タモリはサユリストと呼ばれる吉永小百合ファンの一人であって似たイメージのする桜田淳子もひいきにしていたようだ。
ぼくはこの2人が共演したリサイタルを新宿のシアター・アップルで見たことがある。
桜田淳子は大好きだったし歌って踊れるエンターテイナーとして大変な才能があったと思うがヘンな宗教にはまってしまったのが残念だ。
 
映画『キッドナップ・ブルース』はそういう時代の作品だ。
タイトルの通り少女を誘拐する話だがストーリー的なものはほとんどない。
タモリも誘拐犯を演じるというより森田一義という素の自分をそのまま出している感じ。
 全編を通じて淡々としているのだ。
監督は写真家の浅井慎平でプライベートでもタモリの友人で、というより素人時代のタモリを赤塚不二夫、山下洋輔らと一緒に面白がっていた一味のメンバーだ。
この映画にはそんな仲間内の面々がたくさん出演している。
タモリって変なやつがいるからコイツを主演にして映画でも撮ろうぜ!みたいなノリなのだ。
写真家がメガホンを撮っているおかげでどのシーンも印象的で美しい。
出演者もみな演技臭くなく自然にふるまっているようでそれがこの映画の雰囲気にはあっていた。
ドラマチックなストーリー仕立てにしなかったのが良かったと思う。
ラストでカメラが空に舞い上がり俯瞰になるところなどちょっとした高揚感さえ覚えたものだ。
ただ面白いか?と聞かれると答えに窮する。
ゼッタイにおすすめだよ!とは言えないが観ても損はないと思う。
この手の映画、たとえば『ミツバチのささやき』なんかが好きな人だったら心にささるんじゃないだろうか。
U-NEXTではこういった貴重な作品もいっぱいあるので検索機能を使って調べてみるのもおもしろいですよ。
いつまで実施しているのかわからないけど31日間の無料トライアルもあるので利用してみてはいかがかな。
 

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 *なお本ページの情報は2021年6月時点のものです。最新の配信状況等はU-NEXTサイトにてご確認ください。